学科Ⅲ(法規)
一級建築士 令和5年度 学科Ⅲ(法規) 問24
問題・正答・学習用解説
問題
次の記述のうち、都市計画法上、誤っているものはどれか。選択肢
正答と解説
正答:(2)
正答の考え方
正解は2です。開発区域の面積が40haの開発行為では、当該区域を供給区域に含む一般ガス導管事業者とも、あらかじめ協議する必要があります。40ha未満の場合に一部の事業者との協議を除く扱いを、40haちょうどへ適用した点が誤りです。
大規模な開発では、建物を建てる土地の造成だけでなく、水、電気、ガス、交通、教育施設等の需要が新しく生まれます。例えば住宅地に多くの世帯が入居してから、ガス管の供給能力や経路が足りないと分かれば、地域の生活に支障が出ます。そのため、開発許可を申請する前に、規模に応じて関係する管理者や事業者と協議し、必要な施設等との調整を行います。
一般ガス導管事業者は、地域の導管網を通じてガスを供給するための事業を行う者です。本問の協議先は、その開発区域が供給区域に含まれる事業者です。単に近くに営業所のある会社を自由に選ぶわけではありません。40haは400,000m²に相当する大きな面積で、法の40ha未満の除外に入らないことを確認します。他の肢の改築、再開発事業、仮設建築物の例外も、それぞれ別の手続に関するものとして対象を限定して読みます。
各選択肢の解説
選択肢1
(1)適当です。コンクリートプラントは、周辺環境へ影響を及ぼすおそれのある第一種特定工作物の一つです。その改築の用に供する目的の所定の開発行為は、通常の管理行為や軽易な行為等として、開発許可を要しない範囲に含まれます。新設のための開発と、既存の工作物の改築という行為を区別します。環境への配慮が不要という意味ではなく、開発許可の当該例外の判断です。用途や規模を大きく変えて新設等に当たる行為まで、改築という名前だけで同じ扱いにできません。
選択肢2
(2)誤りです。40ha未満の開発では一般ガス導管事業者等との協議を除く扱いがありますが、40haちょうどは未満に入りません。供給区域に含まれる本肢の事業者と、開発許可申請前に協議する必要があります。新しい街区等に必要な供給を確保するため、事業者の設備や供給計画と調整します。開発許可を行政が審査することと、供給を担う事業者との事前協議は別の手続なので、一方があるから他方を省けるわけではありません。
選択肢3
(3)適当です。市街地再開発事業の施行として行う開発行為は、都市計画法の開発許可を別途受ける必要のない例外です。本肢は1,000m²ですが、通常の市街化区域の面積基準を先に当てはめるのではなく、その事業として行う行為かを確認します。再開発事業の制度で、敷地や建物、公共施設等を計画的に整える手続があるためです。事業に関係しそうな場所で個人が別に行う開発まで、無条件に同じ例外になるわけではありません。
選択肢4
(4)適当です。地区整備計画の区域内の一定の行為には、市町村長へ事前に届け出る制度がありますが、仮設建築物の建築は、その届出を要しない例外に含まれます。地区計画に沿った街並みや土地利用を誘導する届出と、一時的な仮設の扱いを調整するものです。地区計画区域で建築するから必ず届出が必要と一括せず、除外される行為も確認します。なお、この行為届出が不要でも、建築基準法の確認や仮設許可等の別の手続が必要かは別に判断します。
周辺知識
都市計画法の手続には、開発許可、関係者との協議、地区計画区域での行為届出等があります。開発許可は、土地の造成や基盤整備等が法の条件を満たすかを確認するものです。事前協議は、開発によって必要になる公共施設や供給施設等を関係者と調整します。地区計画の届出は、予定する行為が街区の計画に合うかを確認・誘導する入口です。
規模の条件は、手続ごとに違います。本問の40haはガス等の事業者との協議範囲に関わり、市街化区域の1,000m²という面積基準とは別です。1haは10,000m²なので、40haは400,000m²です。面積が大きいほど、新しい需要が周囲の施設へ与える影響も大きくなるため、事前に調整する関係者の範囲が広がります。
許可や届出の例外は、改築という行為、再開発事業という事業の枠組み、仮設という一時性など、別々の理由で定められています。一つの例外があることから、別の手続も全部なくなるとはいえません。法令問題では、誰が何をしようとしているか、どの手続の要否を尋ねているか、その例外の条件を満たすかの順で読むと、似た制度の混同を防げます。