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高気圧障害

潜水士 令和5年 7月~12月実施分 高気圧障害 問28

問題・正答・学習用解説

問題

減圧症の原因となる体内への窒素の溶け込みに関し、誤っているものは次のうちどれか。

選択肢

  1. (1)
    潜水すると、水深に応じ呼吸する空気中の窒素分圧が上昇し、肺における窒素の血液への溶解量が増す。
  2. (2)
    血液に溶解した窒素は、血液循環により体内のさまざまな組織に送られ、そこに溶け込んでいく。
  3. (3)
    溶け込む窒素の量は、潜水深度が深くなるほど、また潜水時間が長くなるほど大きくなる。
  4. (4)
    浮上に伴って呼吸する空気の窒素分圧が低下すると、組織に溶け込んでいる窒素は、溶け込みとは逆の経路で、体内外の窒素分圧が等しくなるまで体外へ排出される。
  5. (5)
    身体組織に溶け込んでいる窒素の排出が不十分な場合は、血管外の組織において気泡をつくることはないが、血管中で気泡となって閉塞を起こす。

正答と解説

正答:(5)

正答の考え方

正解は選択肢5です。減圧が不十分なら、過飽和となった窒素は血管内だけでなく血管外の組織にも気泡を作ります。組織内の気泡は痛みや神経障害を起こし、血管内の気泡は血流を妨げるため、「血管外には作らない」が誤りです。

各選択肢の解説

選択肢1

選択肢1は正しい記述です。深度とともに呼吸ガスの絶対圧と窒素分圧が上がり、ヘンリーの法則により肺から血液へ溶ける窒素量が増えます。

選択肢2

選択肢2は正しい記述です。肺で血液へ溶けた窒素は循環によって各組織へ運ばれ、分圧差に従って組織液や細胞へ移ります。

選択肢3

選択肢3は正しい記述です。深いほど窒素分圧が高く、長くいるほど平衡に近づくため、体内窒素量は増えます。

選択肢4

選択肢4は正しい記述です。浮上後は窒素分圧の勾配が逆になり、組織から血液、肺、呼気の順に窒素が排出されます。

周辺知識

ゆっくり浮上して必要な停止を行うのは、溶けた窒素を肺から安全に排出する時間を与えるためです。気泡は血管閉塞だけでなく、組織の圧迫、炎症、内皮障害も起こします。