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高気圧障害

潜水士 令和5年 7月~12月実施分 高気圧障害 問26

問題・正答・学習用解説

問題

潜水によって生じる空気塞栓症に関し、誤っているものは次のうちどれか。

選択肢

  1. (1)
    空気塞栓症は、肺胞の毛細血管に侵入した空気が、動脈系の末梢血管を閉塞することにより起こる。
  2. (2)
    空気塞栓症は、心臓においてはほとんど認められず、ほぼ全てが脳において発症する。
  3. (3)
    空気塞栓症は、一般的には浮上してすぐに意識障害、痙攣発作などの重篤な症状を示す。
  4. (4)
    空気塞栓症のリスクを評価する指標としてUPTD(肺酸素毒性量単位)があり、1日の高圧空気へのばく露量が一定の値以下となるように管理する。
  5. (5)
    空気塞栓症を予防するには、浮上速度を守り、常に呼吸を続けながら浮上する。

正答と解説

正答:(4)

正答の考え方

正解は選択肢4です。UPTDは高い酸素分圧を吸った量と時間から肺酸素毒性を表す単位であり、空気塞栓症のリスク指標ではありません。また「高圧空気へのばく露量」ではなく、酸素分圧に応じた肺の酸素ばく露を管理します。

各選択肢の解説

選択肢1

選択肢1は正しい記述です。肺胞が破れて空気が肺毛細血管へ入ると、左心系を経て動脈の末梢血管を塞ぎ、臓器への血流を止めます。

選択肢2

選択肢2は試験上正しい記述です。動脈ガス塞栓は脳血管で症状を起こす場合が大部分で、心臓の冠動脈で発症する例は比較的まれです。

選択肢3

選択肢3は正しい記述です。空気塞栓症は浮上直後から、意識障害、けいれん、麻痺などの急で重い神経症状を示すことが多い病態です。

選択肢5

選択肢5は正しい記述です。浮上中に呼吸を止めず、膨張する肺内ガスを外へ逃がしながら規定の浮上速度を守ることが基本的な予防です。

周辺知識

空気塞栓症は主に肺の過膨張から動脈へ空気が入る障害で、減圧症とは発生経路が異なります。ただしどちらも潜水後の神経症状では緊急に100%酸素、救急搬送、再圧治療が必要です。