資格ナビ潜水士の演習へ

高気圧障害

潜水士 令和4年 7月~12月実施分 高気圧障害 問30

問題・正答・学習用解説

問題

潜水作業者の健康管理に関し、誤っているものは次のうちどれか。

選択肢

  1. (1)
    潜水作業者に対する健康診断では、圧力の作用を大きく受ける四肢の運動機能、聴力などの検査のほか、必要な場合は、作業条件調査などを行う。
  2. (2)
    潜水作業者に対する健康診断において行われる関節部のエックス線直接撮影による検査は、骨壊死のチェックのためで、通常、股関節、肩関節、膝関節など侵されやすい部位が対象となる。
  3. (3)
    前日の飲酒により体内にアルコールが残った状態で潜水すると、減圧症や低体温症の発症リスクが高くなる。
  4. (4)
    肺酸素中毒のリスクを評価する指標としてUPTD(肺酸素毒性量単位)があるが、1UPTDは、100kPa(約1気圧)の酸素分圧に1時間ばく露されたときの毒性量である。
  5. (5)
    減圧症の再圧治療が終了した後しばらくは、体内にまだ余分な窒素が残っているので、そのまま再び潜水すると減圧症を再発するおそれがある。

正答と解説

正答:(4)

正答の考え方

正解は選択肢4です。1 UPTDは、酸素分圧100 kPa(約1気圧)の酸素に1分間ばく露されたときの肺酸素毒性量です。1時間では60 UPTDに相当するため、時間単位が誤っています。

各選択肢の解説

選択肢1

選択肢1は正しい記述です。高気圧業務健康診断では四肢の運動機能や聴力などを確認し、医師が必要と認める場合は作業条件の調査なども行います。

選択肢2

選択肢2は正しい記述です。長期の高気圧ばく露では骨壊死が問題となるため、股・肩・膝など発症しやすい関節部を直接撮影で確認します。

選択肢3

選択肢3は正しい記述です。残ったアルコールは脱水、判断力低下、末梢血管拡張による熱損失を招き、減圧症と低体温症の危険を高めます。

選択肢5

選択肢5は正しい記述です。再圧治療後も体内の不活性ガスや組織の障害が直ちに消えるわけではなく、再潜水は再発・悪化につながります。

周辺知識

UPTDは肺への累積的な酸素ばく露を評価する単位です。基準となる100 kPaで1分=1 UPTDとし、より高い酸素分圧では1分当たりの毒性量が大きくなります。中枢神経系酸素中毒の急性リスクとは別に管理します。