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高気圧障害

潜水士 令和3年 7月~12月実施分 高気圧障害 問29

問題・正答・学習用解説

問題

潜水作業者の健康管理に関し、正しいものは次のうちどれか。

選択肢

  1. (1)
    潜水作業者に対する健康診断では、圧力の作用を大きく受ける四肢の運動機能の検査、肺活量の測定などのほか、必要な場合は、心電図検査などを行う。
  2. (2)
    潜水作業者に対する健康診断において行われる関節部のエックス線直接撮影による検査は、減圧症の既往歴のチェックのためで、通常、股関節、肩関節、膝関節など侵されやすい部位が対象となる。
  3. (3)
    前日の飲酒により体内にアルコールが残った状態で潜水すると、減圧症や低体温症の発症リスクが高くなるが、窒素酔いの発症リスクは低くなる。
  4. (4)
    空気塞栓症のリスクを評価する指標としてUPTD(肺酸素毒性量単位)があり、1日のばく露量が一定の値以下となるように管理しなければならない。
  5. (5)
    再圧治療は、減圧症を発症したときに行うものであり、空気塞栓症を発症したときには、行ってはならない。

正答と解説

正答:(1)

正答の考え方

正解は選択肢1です。高気圧業務健康診断では、四肢の運動機能、鼓膜・聴力、血圧、尿、肺活量などを調べます。医師が必要と認めた場合には、作業条件、肺換気機能、心電図、関節部の直接X線撮影を追加します。

各選択肢の解説

選択肢2

選択肢2は誤りです。関節部のX線直接撮影は、長期の高気圧曝露で生じ得る無菌性骨壊死などの骨・関節病変を調べる検査で、単に減圧症の既往歴を聞き取るための検査ではありません。

選択肢3

選択肢3は誤りです。体内にアルコールが残ると脱水、体温調節低下、判断力低下を招き、減圧症や低体温症だけでなく窒素酔いの作用も強めるおそれがあります。

選択肢4

選択肢4は誤りです。UPTDは酸素への曝露による肺酸素毒性を数量化する単位であり、浮上時の肺胞破裂などから起こる空気塞栓症の危険を評価する指標ではありません。

選択肢5

選択肢5は誤りです。再圧治療は減圧症だけでなく動脈空気塞栓症にも適応されます。再圧で気泡を小さくし、高濃度酸素で組織の低酸素と不活性ガス排出を改善します。

周辺知識

潜水者の健康管理では、定期健診だけでなく当日の風邪、耳鼻症状、疲労、脱水、飲酒、服薬を確認します。体調不良は圧平衡、判断、体温維持、減圧に影響します。異常があるときは潜らず、潜水後の症状は早期に申告することが重要です。