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高気圧障害

潜水士 令和3年 7月~12月実施分 高気圧障害 問27

問題・正答・学習用解説

問題

潜水業務における二酸化炭素中毒又は酸素中毒に関し、正しいものは次のうちどれか。

選択肢

  1. (1)
    二酸化炭素中毒は、二酸化炭素が血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンと強く結合し、酸素の運搬ができなくなるために起こる。
  2. (2)
    スクーバ式潜水では、二酸化炭素中毒は生じないが、ヘルメット式潜水では、ヘルメット内に吐き出した呼気により二酸化炭素濃度が高くなって中毒を起こすことがある。
  3. (3)
    酸素中毒は、酸素分圧の高いガスの吸入によって生じる症状で、呼吸ガス中に二酸化炭素が多いときには起こりにくい。
  4. (4)
    脳酸素中毒は、50kPa程度の酸素分圧の呼吸ガスを長時間呼吸したときに生じ、肺酸素中毒は、140~160kPa程度の酸素分圧の呼吸ガスを短時間呼吸したときに生じる。
  5. (5)
    大深度潜水では、酸素中毒を防止するため、潜水深度に応じて酸素濃度を低くした混合ガスを用いる。

正答と解説

正答:(5)

正答の考え方

正解は選択肢5です。深くなるほど呼吸ガスの絶対圧力が上がり、同じ酸素濃度でも酸素分圧が高くなります。大深度では酸素中毒を避けるため、深度で許容分圧に収まるよう酸素割合を低くしたヘリウム混合ガスなどを用います。

各選択肢の解説

選択肢1

選択肢1は誤りです。ヘモグロビンと強く結合して酸素運搬を妨げるのは一酸化炭素です。二酸化炭素中毒は体内へのCO2蓄積による高炭酸ガス血症と酸性化で起こります。

選択肢2

選択肢2は誤りです。スクーバでも過度の運動、呼吸抵抗、スキップ・ブリージング、リブリーザーの吸収剤不良などにより二酸化炭素が蓄積することがあります。

選択肢3

選択肢3は誤りです。二酸化炭素の増加は脳血流を増やし、酸素が脳へ届く量を増加させるため、中枢神経型酸素中毒を起こりにくくするのではなく危険を高めます。

選択肢4

選択肢4は脳型と肺型の条件が逆です。中枢神経型はおよそ140~160 kPaの高い酸素分圧を短時間吸うと起こりやすく、肺型は約50 kPa程度でも長時間の曝露で起こり得ます。

周辺知識

分圧は絶対圧力×ガス濃度で求めます。たとえば絶対圧力0.4 MPaで酸素21%なら酸素分圧は84 kPaです。酸素中毒はけいれん、視野異常、吐き気などを起こし、水中のけいれんは溺水へ直結するため分圧と曝露時間を管理します。