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送気、潜降及び浮上

潜水士 令和3年 7月~12月実施分 送気、潜降及び浮上 問16

問題・正答・学習用解説

問題

生体の組織をいくつかの半飽和組織に分類して不活性ガスの分圧の計算を行うビュールマンのZH-L16モデルにおける半飽和時間及び半飽和組織に関し、誤っているものは次のうちどれか。

選択肢

  1. (1)
    半飽和時間とは、ある組織に不活性ガスが飽和するまでにかかる時間の半分の時間のことである。
  2. (2)
    生体の組織を、半飽和時間の違いにより16の半飽和組織に分類し、不活性ガスの分圧を計算する。
  3. (3)
    半飽和組織は、理論上の概念として考える組織(生体の構成要素)であり、特定の個々の組織を示すものではない。
  4. (4)
    不活性ガスの半飽和時間が短い組織は血流が豊富であり、不活性ガスの半飽和時間が長い組織は血流が乏しい。
  5. (5)
    全ての半飽和組織の半飽和時間は、ヘリウムより窒素の方が長い。

正答と解説

正答:(1)

正答の考え方

正解は選択肢1です。半飽和時間は、組織の不活性ガス分圧が新しい環境での平衡値へ向かう差の半分を埋める時間です。「完全に飽和するまでの時間の半分」ではありません。理論上、完全な飽和には漸近的に近づきます。

各選択肢の解説

選択肢2

選択肢2は正しい記述です。ZH-L16モデルは、不活性ガスを取り込む速さの異なる16の理論的組織区画を用い、それぞれの分圧を計算して減圧限界を求めます。

選択肢3

選択肢3は正しい記述です。半飽和組織は筋肉、脂肪など一つの実在組織をそのまま指すのではなく、ガス交換速度を表す計算上の区画です。

選択肢4

選択肢4は正しい記述です。血流が豊富な区画ほど不活性ガスが速く運ばれて半飽和時間が短く、血流が乏しい区画ほど取り込みと排出が遅くなります。

選択肢5

選択肢5は正しい記述です。ヘリウムは窒素より拡散が速いため、同じ組織区画に設定される半飽和時間はヘリウムの方が短く、窒素の方が長くなります。

周辺知識

一定圧力に保つと、1半飽和時間で平衡値との差が2分の1、2回で4分の1、3回で8分の1になり、取り込みは平衡値の50%、75%、87.5%へ進みます。浮上時には同じ仕組みで排出が進み、各区画の許容分圧を超えない減圧が必要です。