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学科Ⅰ(計画)

一級建築士 令和7年度 学科Ⅰ(計画) 問6

問題・正答・学習用解説

問題

木材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

選択肢

  1. (1)
    ポリウレタン樹脂塗料は、光沢があり、付着性、耐摩耗性、耐水性等に優れ、木床等に用いられる。
  2. (2)
    オイルステインは、木材に塗膜を形成し、耐久性を向上させることができるので、木材を使用した外壁等に用いられる。
  3. (3)
    ヤマトシロアリは、湿潤で腐朽した木材を好んで食べるため、被害は地面に近い建築物の下部や水回りに多く発生する。
  4. (4)
    木材の腐朽は、木材腐朽菌の繁殖条件である酸素・温度・水分・栄養源のうち、いずれか一つでも除去することにより防止することができる。

正答と解説

正答:(2)

正答の考え方

正解は(2)です。一般的なオイルステインは、木材へ浸透して着色し、木目を生かすための材料です。表面に丈夫な保護膜をつくることを主な働きとする塗料ではないので、「塗膜を形成して耐久性を向上させる」という説明が適切ではありません。木材に色が付いたことと、雨や擦れから十分に保護されたことは別です。
例えば木の机に色を染み込ませると、木目を残しながら色合いを変えられます。しかしその上を毎日擦ったり水で濡らしたりする用途では、着色だけでは保護が不足する場合があります。必要に応じて、用途に適した透明な上塗りなどを組み合わせます。外壁ではさらに雨、紫外線、木材の膨張収縮などへの対応が要ります。
木材保護着色塗料の中には、浸透型でも撥水剤、防腐剤などを含み、屋外使用を想定した製品があります。それを一般的なオイルステインと一括りにして、すべて丈夫な膜をつくると説明してはいけません。着色、表面保護、防腐・防蟻という役割を分け、実際の製品の性能と使用箇所を対応させることが重要です。

各選択肢の解説

選択肢1

(1)適当です。ポリウレタン樹脂塗料は木材の表面に塗膜を形成し、付着性、擦れへの強さ、水への抵抗などに優れるため木床などに使われます。床は靴や家具が擦れ、清掃時に水分も付く場所なので、木目を見せながら表面を保護する膜が役立ちます。ただし塗料を使えば永久に傷まないわけではなく、下地処理、膜の厚さ、使用状況によって耐久性は変わります。光沢も製品仕様で違うため、意匠と性能を合わせて選びます。

選択肢2

(2)不適当です。オイルステインの基本的な役割は、木材へ浸透させて着色することです。表面に連続した強い膜を形成する保護塗装とは異なります。木目が見えることだけでは、雨や紫外線への耐久性を判断できません。外壁へ使うなら屋外用の保護性能を備えた仕様か、必要な上塗りや維持管理は何かを確認します。ステインという呼称と、保護剤を含む木材保護着色塗料の性能を無条件で同じにしないことが解答の要点です。

選択肢3

(3)適当です。ヤマトシロアリは湿った木材を好み、地面から侵入しやすい建物下部や、漏水・湿気が生じる水回りで被害が多くなります。腐朽して湿った部分は特に注意が必要です。そのため床下や土台の点検、漏水の修理、木材を地面の湿気から離すことなどが役立ちます。ただし腐朽がない木材なら絶対に食害されないという意味ではありません。シロアリの侵入経路と木材の湿潤条件を両方調べる必要があります。

選択肢4

(4)適当です。木材腐朽菌が活動するには酸素、適した温度、水分、栄養源が必要で、いずれかを欠けば腐朽の進行を抑えられます。建物の木材自体が栄養源なので、栄養だけを除くことは現実的ではありません。温度や酸素も日常使用中に完全には管理しにくいため、雨漏りや結露を防ぎ、濡れた木材を乾かす水分対策が重要です。菌の必要条件を理解すると、単に薬剤を塗る以外にも設計と管理でできる対策が分かります。

周辺知識

木材の劣化には、菌による腐朽、シロアリなどの食害、紫外線や雨による表面の風化、乾湿変化による割れなどがあります。原因が違うので、一種類の塗料だけですべて防げるとは限りません。色を整える塗装、防水・撥水、防腐・防蟻を、必要な役割ごとに検討します。
特に屋外では、雨を受けにくい庇、木口から水が入りにくい納まり、水がたまらず乾きやすい形が重要です。木口は繊維が切れた端面で、水を吸い込みやすい部分です。塗装面がきれいでも、裏側や接合部に水がたまれば内部で傷む場合があります。
また造膜型の塗装は表面を保護しますが、割れや剥がれが生じればそこから水が入り、再塗装の前処理も必要になります。浸透型は木の質感を残しやすい一方、定期的な塗り直しを前提とする場合があります。どちらが一律に優れるのではなく、触れる場所か、雨に当たるか、補修しやすいかで選択します。木材を長く使う設計は、材料選定と水の管理、点検・補修を組み合わせることが基本です。