学科Ⅲ(法規)
一級建築士 令和7年度 学科Ⅲ(法規) 問14
問題・正答・学習用解説
問題
都市計画区域内の道路等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。選択肢
正答と解説
正答:(3)
正答の考え方
正解は3です。建築基準法の道路には、道路法の道路だけでなく、一定の条件で工事予定の段階から道路として扱うものもあります。その一つが法第42条第1項第四号の道路で、所定の法律による新設または変更の事業計画があり、2年以内に事業が執行される予定として特定行政庁が指定したものです。
選択肢3は、密集市街地整備法による事業計画と幅員8mという条件を示していますが、事業の予定を3年以内としています。ここが誤りで、正しくは2年以内です。『いずれ道路になる計画がある』だけで広く道路扱いすると、長期間実際の通路がないまま建物が建つおそれがあるため、近い時期に整備される見込みと行政の指定を求めます。
また、道が法の道路に該当するかと、その道に接する敷地に建物を建てられるかは別の段階です。選択肢1の農道は、幅が6mあっても法の道路ではないという前提なので、自動的に接道義務を満たしません。所定の認定という別の手続により建築できることと対比して理解します。
各選択肢の解説
選択肢1
(1)正しい記述です。法の道路でない農道でも、公共の用に供する道として幅員などの条件を満たし、所定の用途・規模の建物であれば認定の対象となります。本年度の基準では、この種類の道について共同住宅は対象から除かれる用途ではなく、400m²は500m²以内です。6mの幅、2m以上の接道とともに条件を満たし、行政の認定により建築できます。農道を法の道路へ変更する手続そのものではありません。
選択肢2
(2)正しい記述です。位置指定道路は、敷地を建築に利用するため、道路法等によらず造る道について行政が位置を指定する制度です。通常は幅や曲がり角、排水などの基準がありますが、地方公共団体が条例で区域を限って異なる基準を定める場合があります。例えば地形や地域の事情を踏まえた調整を法令が認めています。施工者が自由に変更できるという意味ではなく、条例による基準の設定です。
選択肢3
(3)誤りです。事業予定の期限は3年以内ではなく2年以内です。幅8mが通常の必要幅員を満たしていても、予定道路を法の道路として扱うためには、対象となる事業計画、2年以内の執行予定、特定行政庁の指定という条件が必要です。幅だけが十分であれば未整備の道路計画を全て接道に使えるわけではありません。法第42条第1項第四号の定義を、ほかの許可や予定道路の制度と分けて読みます。
選択肢4
(4)正しい記述です。道路内には建築物を造らないのが原則ですが、自動車専用の道路に設ける休憩所などには例外があります。その場合も原則として特定行政庁の許可を受け、交通上、安全上、防火上、衛生上の支障がないことなどを確かめます。休憩所は道路利用を支える施設ですが、車両の動線を妨げる配置では危険です。用途が休憩所というだけで無条件に道路内へ建てられるわけではありません。
周辺知識
接道義務の基本は、建築物の敷地が建築基準法上の道路に2m以上接することです。人の通行だけでなく、避難、消防活動、日常の交通などのため、敷地を道路網へつなぐ役割があります。道路の所有者が国や自治体か私人かという区別と、法の道路であるかという区別は同じではありません。私人の土地でも位置指定を受けた道路などは法の道路になり得ます。
反対に、見た目が広く舗装された道でも、法の道路のどの種類にも当たらないことがあります。その場合は、敷地周辺の空間や通路、安全性などについて、法第43条の認定・許可の対象となるかを別に検討します。『道路の指定』と『道路でない道に接する建物の認定』は対象が違う手続です。
試験では、道路法による道、開発許可による道、以前からある道、近く整備される予定の道、位置指定道路、幅4m未満の所定の道などを分類します。予定を扱う規定では、工事が将来確実に行われるかも安全の前提なので、何年以内か、誰が指定するかを省略せず読み取る必要があります。