学科Ⅲ(法規)
一級建築士 令和7年度 学科Ⅲ(法規) 問3
問題・正答・学習用解説
問題
次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。選択肢
正答と解説
正答:(3)
正答の考え方
正解は3です。この問題は令和7年度であり、令和7年4月からの建築確認の対象見直しを反映して判断します。改正後は、構造の種類にかかわらず、階数2以上又は延べ面積200m²超の建物は、原則として全国で建築確認・検査の対象になります。
選択肢3の住宅は木造で延べ面積100m²ですが、地上2階建てです。面積が200m²以下でも、『階数2以上』の条件を満たすため確認が必要です。都市計画区域等の外であり、知事が指定する区域にも入らないという前提があっても、この新しい規模区分による対象から外れません。
従前の小規模な木造住宅に関する区域外の扱いを、そのまま令和7年度の問題へ使うと誤ります。また、『2階以上かつ200m²超』と読むのも誤りで、二つの条件のどちらかに該当すれば対象となります。100m²の2階建ては、まさに階数側の条件で確認対象になる例です。したがって、確認済証の交付を受ける必要がないとした記述は誤りです。確認を受ける必要と、確認で審査を省略できる範囲も別の制度として整理します。
各選択肢の解説
選択肢1
(1)正しい記述です。国や都道府県などが建築主である場合、通常の民間建築主の確認申請とは別に、計画通知の手続を用います。令和6年11月の改正により、国等の建物についても指定確認検査機関が審査等を行えるようになりました。このため令和7年度の本問では、都道府県は鉄骨造300m²の平家の計画を指定確認検査機関へ通知できます。行政の建物だから安全審査がないのではなく、所定の通知手続によって適合性を確認します。
選択肢2
(2)正しい記述です。高さ2m超の擁壁は通常、指定工作物として確認の対象になりますが、都市計画法の開発許可を必要とする開発行為に伴うものは、この確認対象から除かれます。本問の高さ3mの擁壁は開発許可が必要な工事なので、別に建築基準法の確認済証を受ける必要はありません。擁壁は土を支える壁で、安全性の審査そのものがなくなるのではなく、開発許可の制度で所定の基準への適合を確認するための調整です。
選択肢3
(3)誤りです。令和7年4月以降の区分では、木造100m²でも2階建てなら、原則として区域を問わず確認が必要です。都市計画区域等の外という場所の条件だけで免除されません。『階数2以上又は延べ面積200m²超』のどちらかを満たすと対象なので、100m²という面積だけを見て小規模な免除対象へ入れないようにします。過去年度の問題と結果が変わり得る箇所であり、出題年度と適用される改正内容を合わせて確認することが重要です。
選択肢4
(4)正しい記述です。容積率には通常の最高限度だけでなく、地区によって最低限度が定められる場合もあります。最低限度がある区域で床面積を減らすと、その下限を満たさなくなる可能性があるため、この変更を単に規模を小さくする軽微な変更として扱えません。改めて確認済証の交付を受ける必要があります。例えば最低容積率100%の敷地で、計画を100%から90%へ減らすと、最高限度には余裕があっても最低限度に違反します。小さくすれば必ず安全側とは限らないのです。
周辺知識
建築確認は、建てる前に計画が建築基準関係規定へ適合するかを確かめる手続です。対象は、用途、構造、階数、面積、建てる区域などにより決まります。令和7年4月の見直しでは、従来の木造かどうかによる区分を整理し、2階建て以上又は200m²超の建物を原則として全国で対象としました。面積が小さい2階建て住宅でも、確認と検査を通じて構造等を確かめる点が変わりました。
『確認不要』と『審査の一部省略』も区別しましょう。確認不要はその確認申請が対象外であることです。審査の一部省略は、確認手続自体は行いながら、所定の条件の下で一部の規定の審査を省くことです。どちらも法令の技術基準を守らなくてよいという意味ではありません。
工事中に計画を変える場合も、変更の大きさだけでなく、関係する基準への影響を考えます。床面積を減らす変更は最高容積率に対しては有利でも、最低容積率には不利です。規定には最大値だけでなく最小値もあるため、『減らしたから軽微』『増やしていないから再確認不要』という判断をせず、変更後も適用基準に適合するかを確認します。