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学科Ⅴ(施工)

一級建築士 令和7年度 学科Ⅴ(施工) 問11

問題・正答・学習用解説

問題

表は、フレッシュコンクリートの「スランプ又はスランプフロー」及び「空気量」の指定値と、そのレディーミクストコンクリートの受入れ時の検査における測定値を示したものである。次の組合せのうち、検査結果が不合格と判定されるものはどれか。
コンクリートの種類フレッシュコンクリートの性状
指定値受入れ時の検査における測定値
スランプ又はスランプフロー(cm)空気量(%)スランプ又はスランプフロー(cm)空気量(%)
1.普通コンクリート184.516.06.0
2.普通コンクリート454.555.03.0
3.軽量コンクリート155.017.06.5
4.高強度コンクリート604.550.05.5

選択肢

  1. (1)
    普通コンクリート/18cm・4.5%/16.0cm・6.0%
  2. (2)
    普通コンクリート/45cm・4.5%/55.0cm・3.0%
  3. (3)
    軽量コンクリート/15cm・5.0%/17.0cm・6.5%
  4. (4)
    高強度コンクリート/60cm・4.5%/50.0cm・5.5%

正答と解説

正答:(2)

正答の考え方

不合格になるのは選択肢2です。普通コンクリートの指定スランプフロー45cmに対する許容差は±7.5cmなので、認められる範囲は37.5〜52.5cmです。実測値55.0cmは上限を2.5cm超えています。空気量3.0%が許容範囲内でも、二つの検査の一方が外れれば、この組合せは合格になりません。
フレッシュコンクリートは、まだ固まっていない状態のコンクリートです。スランプ試験では円すい台形の容器を引き上げ、試料が何cm下がったかを測ります。スランプフローは、引き上げた後に試料が床面へ何cm広がったかを測ります。同じcmの数値でも、縦の沈みと横の広がりという別の量です。
判定は「実測値-指定値」を求め、該当する試験とコンクリートの区分の許容差に照らします。本肢の差は次のとおりです。
55.0−45=10.0 cm55.0-45=10.0\,\mathrm{cm}
7.5cmを超えます。一方、空気量の差は次のとおりです。
3.0−4.5=−1.5 ポイント3.0-4.5=-1.5\,\text{ポイント}
許容差±1.5の下限ちょうどです。二つの差を平均して相殺することはできません。先に検査の種類と材料の区分を確認し、各項目を独立に判定することが大切です。

各選択肢の解説

選択肢1

選択肢1:合格となる組合せです。スランプの差は次のとおりです。
16.0−18=−2.0 cm16.0-18=-2.0\,\mathrm{cm}
指定値18cmの許容差±2.5cmに収まります。範囲で書けば15.5〜20.5cmです。空気量も4.5%に対する許容差±1.5により3.0〜6.0%なので、実測6.0%は上限ちょうどで合格です。「指定値と同じでなければ不合格」ではなく、認められた変動の範囲かを調べます。本肢の18cmは縦の沈み量を示すスランプであり、45cmなどのスランプフローと取り違えないようにします。

選択肢2

選択肢2:不合格となる組合せです。普通コンクリートのスランプフロー45cmでは±7.5cmが許容差です。測定55.0cmは52.5cmの上限を超えています。横への広がりが大きいことを、施工しやすいから常によいとは判断できません。注文した性状の範囲にあるかが受入検査の対象です。空気量3.0%は下限に収まっていますが、その合格によってフローの不合格が帳消しになることはありません。二項目の両方に合格する必要があるため、本肢を選びます。

選択肢3

選択肢3:合格となる組合せです。軽量コンクリートのスランプ15cmに対する許容範囲は12.5〜17.5cmで、17.0cmは範囲内です。空気量は指定5.0%に±1.5を適用するので3.5〜6.5%となり、6.5%は上限ちょうどです。軽量コンクリートは軽い骨材などを使って自重を小さくしたものですが、ここで必要なのは表で与えられた指定値に対応する判定です。普通コンクリートの指定空気量4.5%を勝手に流用せず、この行の5.0%を基準にします。

選択肢4

選択肢4:合格となる組合せです。高強度コンクリートの指定スランプフロー60cmでは、許容差±10cmにより50〜70cmが範囲になります。測定50.0cmは下限ちょうどです。空気量も4.5%に対し5.5%で、その差1.0は±1.5以内です。選択肢2と比べるとフローのずれの大きさはどちらも10cmですが、適用する区分と許容差が異なります。同じ差だから同じ判定とは限らないことを示す比較です。各行の材料区分、指定値、許容差をそろえて読みます。

周辺知識

受入検査は、現場へ届いたコンクリートが注文した性質を持つかを確かめる入口の検査です。スランプやスランプフローは、打ち込みやすさに関係する変形・流動の性質を調べます。圧縮強度そのものをその場で直接測る試験ではなく、強度は供試体をつくって所定の材齢で別に確認します。
空気量は、コンクリート全体の体積に対して空気がどのくらい含まれるかを示します。適切な微細な空気泡は凍結融解への抵抗などに役立ちますが、空気が多ければ無条件によいわけではありません。強度などにも影響するため、用途に応じて指定した量を管理します。
数値の判定では、許容差と測定値の単位をそろえ、境界を含むかも確認します。例えば空気量4.5%に対する±1.5は、4.5の1.5%を求める意味ではなく、3.0〜6.0%という範囲です。また、検査に外れたコンクリートへ現場で勝手に水を足して数値だけ合わせればよい、ということにはなりません。配合条件まで変えてしまうため、受入れの可否や必要な措置を所定の手順で判断します。