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学科Ⅲ(法規)

一級建築士 令和6年度 学科Ⅲ(法規) 問24

問題・正答・学習用解説

問題

次の記述のうち、都市計画法上、誤っているものはどれか。

選択肢

  1. (1)
    市街化調整区域内における地区整備計画が定められた地区計画の区域内において、当該地区計画に定められた内容に適合する病院の建築の用に供する目的で行う開発行為は、所定の要件に該当すれば、都道府県知事の許可を受けることができる。
  2. (2)
    開発許可を受けた開発区域内において、都道府県知事の許可を受ける必要のない国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
  3. (3)
    開発許可を受けた開発区域内の土地に用途地域等が定められている場合、当該開発行為に関する工事が完了した旨の公告があった後に、当該開発許可に係る予定建築物等以外の建築物を新築するときは、都道府県知事の許可を受けなければならない。
  4. (4)
    都市計画施設の区域内において、地階を有しない木造、地上2階建ての飲食店を新築する場合は、原則として、都道府県知事等の許可を受けなければならない。

正答と解説

正答:(3)

正答の考え方

正解は3です。開発許可は、建物を建てる目的で土地を造成する際などに、道路や排水などの基準、区域の条件に適合するかを確かめる制度です。許可を受けるときには、その土地に建てる予定の建物も計画します。そのため、工事完了の公告後に予定建築物と違う建物を自由に建てられるとすると、当初の審査の前提が崩れる場合があります。
そこで都市計画法42条は、原則として予定建築物等以外の新築等を制限し、所定の許可による例外を設けています。ただし、開発区域内の土地に用途地域等が定められている場合は、建築物についてこの制限の例外になります。用途地域によって、その土地で認められる建物の使い道が別途規制されているためです。
本問はまさに『用途地域等が定められている場合』なので、予定建築物以外を新築するという理由だけで、この条文による知事の許可を必ず受けることにはなりません。選択肢3が誤りです。もちろん、用途地域の制限や建築確認などは別に守る必要があります。一つの許可が不要であることを、全ての法令の手続が不要という意味に広げないことが大切です。

各選択肢の解説

選択肢1

(1)正しい記述です。市街化調整区域は市街化を抑える区域ですが、すべての開発が絶対禁止ではありません。地区整備計画が定められた地区計画の区域で、その内容に適合する開発など、法律の要件を満たす場合には許可を受けられます。本問の病院も、地区計画への適合等の所定条件を満たせば対象になり得ます。病院なら常に許可不要なのでも、調整区域なら絶対に不可なのでもなく、具体的な許可基準に当てはまるかを確認します。

選択肢2

(2)正しい記述です。開発許可の内容を変える場合、原則として変更の許可が必要ですが、国土交通省令で定める軽微な変更は許可を省略できます。ただし、その変更をしたときは遅滞なく知事へ届け出る必要があります。小さな変更まで事前審査を繰り返す負担は減らしつつ、行政が最終的な計画や施工内容を把握できるようにするためです。『軽微だから何も知らせなくてよい』とはならず、許可と届出という手続の違いを区別します。

選択肢3

(3)誤りです。開発工事の完了公告後の予定建築物等以外の建築制限には、用途地域等が定められた土地の建築物を除く扱いがあります。本問はこの条件を満たすため、予定と違う建物の新築について、当該条文による知事の許可が一律に必要とはいえません。用途地域のルールで認められない用途まで建てられるという意味ではなく、その土地の使い道は引き続き用途地域等の規定に従います。原則の制限と、法文ただし書の対象を順に読むことが要点です。

選択肢4

(4)正しい記述です。都市計画施設の区域内では、将来の道路や公園等の整備を妨げないよう、建築に原則として許可が必要です。地階のない木造2階建ては、容易に移転・除却できるなどの条件を満たす場合に、許可しなければならない建物の基準に関係します。しかし、それは許可を取らなくてよいという意味ではありません。許可申請の対象であることと、申請された計画を認めるべき基準に当たることを分けて考えます。

周辺知識

都市計画法の制限は、場所と事業の段階を整理すると理解できます。市街化調整区域では、まちの広がりを抑えるため、開発の目的や立地について特に条件があります。開発許可を受けた区域では、工事中と完了公告後で建築に関する制限が違います。都市計画施設の区域では、将来の道路・公園等の整備を妨げないため、建築物の構造や規模などを確認します。
ここで重要なのは、『許可が不要』『許可を受けられる』『許可しなければならない』という三つの表現です。許可不要は、その許可手続の対象外という意味です。許可を受けられるは、条件を満たして審査されれば認められる場合があるという意味です。許可しなければならないは、申請された計画が所定の条件に該当すれば行政側が許可すべきという意味で、申請自体を省略することではありません。
また、用途地域等の指定があることは、土地利用の別のルールが既に存在することを意味します。本問の完了公告後の制限の例外は、その規制との役割分担です。問題を解く際は、区域名、工事前後、予定建築物との違い、用途地域の有無を順に整理し、どの条文の制限を問うているかを確定させましょう。