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学科Ⅴ(施工)

一級建築士 令和6年度 学科Ⅴ(施工) 問18

問題・正答・学習用解説

問題

ガラス工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

選択肢

  1. (1)
    アルミニウム製建具において、外部に面する複層ガラスを受ける下端ガラス溝に、径6mm以上の水抜き孔を2か所以上設けた。
  2. (2)
    ガラスブロック積み工法において、ガラスブロック平積みの目地幅の寸法については、特記がなかったので、6mmとした。
  3. (3)
    ガラスの熱割れ防止のため、建築物の立地、開口部の方位、ガラスの光特性・熱特性等によりガラスエッジに発生する熱応力を算出し、ガラスエッジの許容応力と比較した。
  4. (4)
    ガラスの表面のサンドブラスト加工に当たって、加工深さを板厚の112\displaystyle \frac{1}{12}未満とした。

正答と解説

正答:(2)

正答の考え方

選択肢2が不適当です。ガラスブロックを平らな壁面として積む場合、特記がなければ目地幅は10mmとします。本肢の6mmはこの条件と合いません。板ガラスを枠へはめる際の隙間や、タイルの細い目地とは対象が異なります。
ガラスブロックは、中空のガラス製ブロックをモルタルや補強材などと組み合わせて壁状に積む材料です。光を通しながら視線を遮る壁などに使います。目地にはブロック同士の寸法差を納める余地、モルタルや補強筋を配置する空間などが必要です。ブロックを隙間なく密に積めばよいわけではありません。
例えば10mmの目地を6mmへ変えると、一か所で4mm違います。横に十か所の目地があれば合計40mmの差となり、壁全体の割付けや補強材の納まりにも影響します。これは目地幅が全体寸法にも関わることを示す例です。平積みと、曲面に積んで内外で目地幅が変わる構成も区別します。本問では特記がない平積みの標準寸法を確認し、6mmを10mmへ直します。ガラスという同じ材料名でも、板として使う場合とブロックとして積む場合の施工条件は別です。

各選択肢の解説

選択肢1

選択肢1:適当です。複層ガラスは複数枚のガラスの間に空間を設け、周縁を封着したものです。下端の溝へ雨水などがたまると、周縁の封着部が長く水に触れ、耐久性に悪影響を与える恐れがあります。外部に面するアルミ建具で、径6mm以上の水抜き孔を2か所以上設ける本肢は適当です。シーリングをしたから水が絶対に入らない、と考えず、入った水を外へ逃がす仕組みも設けます。孔が設けられていてもゴミなどで詰まれば働かないため、排水経路の連続性も確認します。

選択肢2

選択肢2:不適当です。特記がない平積みガラスブロックの目地幅は10mmで、6mmではありません。目地は隣り合うブロックの間に確保する寸法で、表面をへこませる深さとは別です。モルタルや補強材を適切に納め、ブロックの寸法差も吸収します。単に目地が細い方がきれいに見えるとして変更すると、認められた構法の納まりを損なう場合があります。ガラス板の枠内クリアランス、ガラスブロックの目地、周囲の伸縮調整部分をそれぞれ別の寸法として扱います。

選択肢3

選択肢3:適当です。日射でガラス中央が暖まって伸びようとしても、枠に覆われた縁が冷たいままなら自由に伸びにくくなり、縁へ熱応力が生じます。この応力がガラス端部の耐えられる範囲を超えると熱割れの原因になります。立地、方位、日射を吸収する性質などから発生応力を計算し、エッジの許容応力と比較する方法は適当です。ガラス全体の温度が同じように上がるだけでなく、場所による温度差が問題です。周囲の影や室内側の条件など、温度分布に影響する要因を考慮します。

選択肢4

選択肢4:適当です。サンドブラストは細かな粒を吹き付け、ガラス表面を粗くして模様や光の拡散性を与える加工です。表面を深く削ると板の強さを低下させる恐れがあるため、加工深さを板厚の12分の1未満とする本肢は適当です。例えば板厚12mmなら1mm未満です。「未満」なのでちょうど1mmは含まれません。模様をくっきりさせたいから深く加工してよいわけではなく、必要な安全性を保つ範囲で行います。表面の加工と構造的な強度が無関係ではないことが要点です。

周辺知識

ガラスは圧縮には比較的強くても、表面や端部の傷から引張りによる割れが進むことがあります。熱割れの検討でエッジの応力を見るのは、温度差による力が端部の状態と関わるためです。サンドブラストで削る深さを制限するのも、見た目の加工が強度へ影響することを考えるためです。
窓では、ガラスを支えること、枠の動きに接触しない余地を持たせること、水を排出することを同時に満たします。外からの水をシールで防ぐ仕組みに加え、下端の溝へ入った水を抜く孔を設けます。複層ガラスの周縁を長く水へ浸さないことは、内部の空間を適切に保つ封着部の保護にもつながります。
ガラスブロックは、板ガラスの窓とは異なり、複数のブロックを目地と補強材で壁状に構成します。割付けではブロック寸法だけでなく、目地の数と幅を足して全体の大きさを求めます。材料名だけで施工条件をまとめず、板、複層、ブロック、表面加工という使い方の違いを先に確認すると、必要な寸法や検査の理由を整理できます。