学科Ⅱ(環境・設備)
一級建築士 令和5年度 学科Ⅱ(環境・設備) 問7
問題・正答・学習用解説
問題
図のような点光源に照らされた受照面上の点A、B、Cの鉛直面照度の大小関係として、最も適当なものは、次のうちどれか。ただし、点光源の配光特性は一様なものとし、反射は考慮しないものとする。
選択肢
正答と解説
正答:(2)
正答の考え方
正解は(2)のA>C>Bです。照度は面に届く光の密度で、単位はlxです。点光源の光度をcd、光源から受照点までの実距離を m、光の方向と面の法線との角をとすると、照度は次の式で求めます。
距離による広がりと、斜めに当たることによる広がりの両方を考える式です。
Aは1m先へ正面から当たるため、次の照度になります。
Cも正面ですが距離が4mなので、次のようになります。
Bの図の2mは水平距離で、光が進む実距離ではありません。より、実距離は次のように求められます。
したがって、Bの照度は次のとおりです。
200、100、50を順に並べればA>C>Bです。光度が8倍でも、距離の二乗や入射角の影響により、受ける面が明るいとは限らないことが分かります。
各選択肢の解説
選択肢1
(1)不適当です。Aが最も大きい点は合っていますが、BとCは等しくありません。両者は光度1600cd、実距離4mという点では同じです。しかし、Cは面へ垂直に当たり、Bは法線から60°傾いて当たります。Bにはを掛けるため、Cの100lxに対し50lxです。光源の強さと距離が同じでも、同じ面積に分配される光は角度で変わることを見落とさないようにします。
選択肢2
(2)適当です。Aは200lx、Cは100lx、Bは50lxなのでA>C>Bです。Bを計算するときは、まず水平距離2mから斜めの実距離4mを求め、その後で入射角の余弦0.5を掛けます。この二段階はどちらも必要です。距離を求めるために余弦を使ったからといって、面に当たる角度の補正まで済んだわけではありません。図の幾何と面での光の広がりを別に扱います。
選択肢3
(3)不適当です。BとCを等しいとする点と、Aを最小とする点が誤りです。Aの光度は200cdと小さくても距離は1mであり、200lxになります。Cは光度が8倍ですが距離が4倍なので、照度は倍です。Bはさらに斜めに入る影響でAのになります。「1600cdの光源のほうが強い」という情報だけでは照度を比較できず、距離と角度までそろえて考える必要があります。
選択肢4
(4)不適当です。C>Bという関係は正しいものの、Aを最後に置くのが誤りです。Aは最も近くにあり、正面から光を受けるため200lxで最大です。距離が離れると光が広い範囲へ分散するため、照度は距離そのものではなく二乗に反比例します。4m先のCをと計算すると順位を誤るので、分母をにする理由と数値を一緒に確認します。
周辺知識
点光源から出た光は、遠くへ進むほど広い面へ広がります。半径が2倍の球面の面積は4倍になるので、同じ光を受ける密度はになります。これが照度の逆二乗の法則です。光度cdはある方向へ光を出す強さ、照度lxは受け取る面の単位面積当たりの光であり、光源側と受ける側の別の量です。
さらに、懐中電灯を壁へ斜めに向けると、光の当たる形が引き伸ばされ、同じ光が広い面へ分かれます。この効果が余弦の係数に対応します。角度は壁面そのものからではなく、壁に垂直な法線から測ります。正面なら0°で、ほぼ壁と平行なら90°に近づいて照度が小さくなります。
本問は配光が一様、反射なしという理想化です。現実の照明器具は向きによって光度が異なり、壁や天井の反射光も届きます。その場合は配光データや反射の影響を加えて計算します。まず直接光だけのモデルを確実に理解すると、現実の条件を加える意味も分かります。