学科Ⅲ(法規)
一級建築士 令和4年度 学科Ⅲ(法規) 問24
問題・正答・学習用解説
問題
次の記述のうち、都市計画法上、誤っているものはどれか。選択肢
正答と解説
正答:(1)
正答の考え方
正解は1です。都市計画施設の区域内で建物を改築する場合も、原則として都道府県知事等の許可が必要です。許可不要となる軽易な行為の範囲に入る改築には、地階がなく階数が2以下の木造等の条件があります。本肢は木造でも地上3階建てなので、その例外には入りません。
都市計画施設の区域は、将来の道路、公園等の公共施設を整備する場所として都市計画で定められた範囲です。将来の事業を著しく妨げる建物が先に建つことを避けるため、その区域内の建築を許可の対象にします。改築は既存の建物を建て直す行為等であり、新築という名称でないから規制されないわけではありません。
木造は撤去や移転が比較的容易な構造として例外の条件に関係しますが、構造だけを満たしても足りません。地上3階を、階数2以下という条件に当てはめることはできません。また、そもそも許可申請が不要な軽易な行為と、申請したときに許可される基準は別の規定です。『許可されやすい建物だから申請不要』と置き換えず、許可の要否と許可基準を段階に分けて確認することが、本問の判断につながります。
各選択肢の解説
選択肢1
(1)誤りです。都市計画施設の区域内の建築は原則として許可が必要で、改築も含みます。軽易な行為として許可を要しない改築の範囲は、地階がなく階数2以下の木造等という条件です。本肢は3階なので、木造という条件だけでは例外を使えません。将来の道路等の事業の支障を抑えるという制度の目的を踏まえ、構造と階数の条件を両方確認します。都市計画が決定した区域と、既に事業認可等を受けた事業地の規制も別に扱います。
選択肢2
(2)適当です。開発行為は、主として建物の建築や特定工作物の建設を目的として行う土地の区画形質の変更です。道路等によって区画を変えたり、造成して土地の形や性質を変えたりする行為が関係します。この定義に、一定面積以上という一律の条件はありません。小規模だから開発行為ではない、とするのは誤りです。開発行為に当たったうえで、区域や規模等により開発許可が必要かを別に判断するという、二段階の構造を押さえます。
選択肢3
(3)適当です。開発許可を受けた区域では、原則として工事完了の公告まで建物を建築できません。実際の造成工事が終わっても、完了検査等を経て完了した旨の公告がされる前は、法の制限が続きます。道路や排水等が許可どおり整備されたかを確認してから、予定の土地利用を進めるためです。現場の作業が終わった日と、法律上の公告の日は同じとは限りません。工事用の仮設建築物や所定の承認等の例外はありますが、本肢の原則の説明は正しいものです。
選択肢4
(4)適当です。市街化区域内で、専修学校を建てるために1,000m²の開発行為を行う場合、開発許可が必要です。市街化区域だから全ての開発が無許可になるわけではなく、所定規模以上は許可対象です。また専修学校は、教育に関わる施設という理由だけで開発許可を免除する公益施設の区分には入りません。規模の基準と免除される用途を、それぞれ確認します。地域によって小規模開発の基準が異なる場合もありますが、本問の1,000m²は許可対象となります。
周辺知識
都市計画法には、違う目的の許可制度があります。開発許可は、宅地等の造成に際し、道路、排水、安全等を確保し、区域にふさわしい開発へ誘導する制度です。都市計画施設の区域内の建築許可は、将来の道路や公園等の整備を妨げないよう、決められた区域内の建築を調整する制度です。同じ土地で、別々の規制を確認する場合もあります。
定義、許可の要否、許可基準を分けて読むことが重要です。土地の区画形質の変更が建築目的なら、まず開発行為の定義を考えます。次に、その区域・規模・用途で許可が必要かを判断します。必要であれば、道路や排水等の技術基準、立地に関する基準等を確認します。小規模で許可不要となる場合でも、開発行為という名称まで消えるわけではありません。
手続の時点も区別します。許可を受けて工事を始め、工事が終われば検査等を経て完了公告へ進みます。建物を建てられる時点を考える際、現場の完了だけを見て公告を省いてはいけません。施設区域の改築でも、木造、階数、地階の有無など、例外の条件を一つずつ確認します。『公共的な用途だから』『小さそうだから』という印象で許可を省略しない読み方が必要です。