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学科Ⅴ(施工)

一級建築士 令和4年度 学科Ⅴ(施工) 問4

問題・正答・学習用解説

問題

鉄筋コンクリート造の共同住宅(床面積の合計が1,500m²)の新築工事の届出等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

選択肢

  1. (1)
    この敷地に設ける駐車場の出入りのために歩道の切下げを行う必要があったので、当該工事の建築主が、歩道の工事の設計及び実施計画について承認を受けるための申請書を、建築主事あてに提出した。
  2. (2)
    この工事の確認申請と同時に、当該工事の建築主が、建築工事届を、建築主事を経由して都道府県知事あてに提出した。
  3. (3)
    この工事が「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」の対象建設工事であることから、当該工事の発注者が、工事に着手する日の7日前までに、分別解体等の計画等を添えた届出書を、都道府県知事あてに提出した。
  4. (4)
    この工事が完了した日から4日以内に到達するように、当該工事の建築主が、完了検査申請書を、建築主事あてに提出した。

正答と解説

正答:(1)

正答の考え方

最も不適当なのは選択肢1です。歩道の切下げは道路に関する工事なので、設計と実施計画について承認を求める相手は「道路管理者」です。建築主事ではありません。建築主事への建築確認などとは、管理する対象と根拠となる手続が違います。
駐車場の出入口をつくるために、歩道の縁石を低くしたり舗装を変えたりする工事は、敷地内の建物工事に付随していても公共の道路へ手を加える行為です。歩行者の安全、排水、自動車の荷重に耐える舗装など、道路としての機能を保つ必要があります。そのため、道路を管理する者の承認が必要になります。
同じ建物の新築に関係する申請でも、すべてを建築主事へ出すわけではありません。建築工事届は所定の経路で知事へ、建設リサイクル法の対象工事の届出は着手前に所定の行政庁へ、完了検査申請は完成後の定められた期間内に行います。本問では建物が1,500m²であることから規模要件も確認します。手続ごとに「目的」「提出する人」「提出先」「期限」を対応させると、申請先の取り違いを見抜けます。

各選択肢の解説

選択肢1

選択肢1:歩道の切下げ工事の承認申請先は道路管理者なので、「建築主事あて」が不適当です。車が敷地へ出入りするためでも、歩道自体は道路の一部です。道路の管理者が、位置や幅、歩行者への影響、舗装の構造などを確認します。建物の確認申請に適合していることだけでは、公共の歩道を自由に改変できません。また、道路で実際に工事する際の道路使用など、必要となる別の手続とも区別します。何に手を加える工事なのかを先に考えると提出先を選べます。

選択肢2

選択肢2:建築工事届を、建築主事を経由して都道府県知事へ提出する本肢の流れは適当です。確認申請と同時に行う場合でも、届出の目的と提出先の仕組みは確認申請そのものと区別します。「経由」は途中の窓口を通すことで、最終的な宛先と同じ意味ではありません。建築主が工事の概要を届ける手続であり、本問の規模の共同住宅新築はその対象です。問題文では建築主事が登場するため、選択肢1と見た目が似ますが、道路工事の承認とは別の制度です。

選択肢3

選択肢3:本問の1,500m²の新築工事は、建設リサイクル法の対象となる新築・増築500m²以上の規模を満たします。発注者が着手日の7日前までに、分別解体等の計画などを添えて届け出る本肢は適当です。新築でも、対象資材の分別や再資源化に関する管理が必要で、解体だけの法律ではありません。解体工事の80m²以上という規模条件と混同しないようにします。工事を始めた後ではなく、始める前に計画を届ける手続であることも押さえます。

選択肢4

選択肢4:建築主が、工事完了の日から4日以内に到達するよう完了検査を申請する本肢の対応は適当です。完了検査は、できあがった建物が建築基準関係規定に適合するかなどを確認するための手続です。「工事が終わったから手続もすべて終了」とはなりません。申請書を作る日だけでなく、所定期限内に届くことを考慮します。本肢は建築主事へ申請する場合を述べており、選択肢1の道路管理者へ出す承認申請とは、完成後の建物を対象にする点でも異なります。

周辺知識

建築工事に伴う行政手続は、対象ごとに分かれています。建物の法適合性、道路の機能、資材の分別・再資源化など、守る目的が異なるためです。現場では一つの新築工事でも、制度上は複数の管理対象へ関わります。似た名称の役所や担当者を、工事の目的と組み合わせて覚えます。
期限は工事の前後で整理すると分かりやすくなります。建設リサイクル法の届出は着手前、完了検査申請は工事が終わった後です。事前に計画を確かめる制度と、完成物を検査する制度では必要な時期が違います。申請、届出、承認などの言葉も、その手続の性質と合わせて読みます。
規模の数字は工事種類とセットで確認します。新築の500m²と解体の80m²を入れ替えると、対象判断を誤ります。本問は共同住宅の新築1,500m²なので、新築の条件に当てはめます。誰が提出するか、誰宛てか、どの窓口を経由するかを別々に整理すれば、長い選択肢でも判断箇所を明確にできます。