学科Ⅲ(法規)
一級建築士 令和3年度 学科Ⅲ(法規) 問25
問題・正答・学習用解説
問題
次の記述のうち、都市計画法上、誤っているものはどれか。選択肢
正答と解説
正答:(3)
正答の考え方
正解は3です。市街地開発事業等予定区域の中でも、既存建物の敷地内に造る、本肢の木造平家の附属車庫は、通常の管理行為・軽易な行為等として許可を不要とする例外に当たります。原則として許可が必要とした点が誤りです。
市街地開発事業等予定区域は、将来のまとまった市街地整備等の事業を円滑に行うため、先に予定する範囲を確保する制度です。その区域へ新しい大きな建物を次々に造ると、後の事業を進めにくくなるため、建築等を許可制にします。ただし、既存建物に付随する小規模な日常的利用まで、全て同じように制限するわけではありません。
本肢は既存の建物の敷地内であること、附属建築物であること、木造・平家の車庫であることを明示しています。独立して営業する大きな駐車場等ではなく、既存建物の利用を補う車庫という条件を、政令の例外へ当てはめます。都市計画区域、市街化調整区域、開発許可を受けた区域、事業の予定区域は、それぞれ異なる制度の区域です。『都市計画に関係する区域内の建築だから全て許可』とまとめず、どの条文の制限と例外かを選ぶことが重要です。
各選択肢の解説
選択肢1
(1)適当です。開発工事の完了公告後は、原則として予定建築物以外を建てることが制限されますが、土地に用途地域等が定められている場合には、本肢の新築についてその許可を必要としない例外があります。用途地域のルールで、周辺環境と調和する用途を管理する仕組みが働くためです。ただし、許可不要だから予定と全く異なる用途を自由に建てられるわけではなく、用途地域による建築基準法の制限等を守ります。開発の完了公告の前後も区別して読みます。
選択肢2
(2)適当です。市街化調整区域で、開発許可を受けた区域以外の土地に建築する場合にも原則として許可が関係しますが、仮設建築物の新築は例外に含まれます。市街化調整区域は市街化を抑える区域ですが、一時的な建物の新築について恒久的な建物と同じ扱いを求めない規定です。ただ『仮設』と自分で呼べば、長く使う建物まで例外になるわけではありません。本肢が仮設建築物に該当することを前提に、この建築許可の要否を判断します。
選択肢3
(3)誤りです。既存建物の敷地内に設ける、木造平家の附属車庫という本問の行為は、事業等の予定区域での建築等の許可を不要とする例外です。地域の将来の整備を妨げない程度の通常の管理・軽易な行為を、原則の許可対象から外しています。既存建物の敷地内という条件を落とした独立の車庫や、規模・構造の異なる建物まで同じ例外になるとは限りません。条文の原則だけを読まず、政令で定める例外の行為の種類と本肢を照合します。
選択肢4
(4)適当です。博物館法に規定する博物館を建てるための開発行為は、公益上必要な建築物に関する開発許可の例外に含まれます。そのため本問は5,000m²の開発でも許可が不要です。準都市計画区域の一般の面積基準だけを見て判断すると誤ります。ここで対象なのは法律上の博物館であり、施設名に博物館と付けた建物が全て自動的に該当するわけではありません。面積で原則を調べることに加え、目的となる建物の法的な用途の分類を確認します。
周辺知識
開発行為は、主として建物等を造るために土地の区画や形質を変える行為です。造成して道路や排水設備を整える段階と、その土地に建物を建てる段階は別で、都市計画法は両方に必要な規制を設けています。開発許可があることだけで、将来どの建物へ変更してもよいわけではありません。
開発工事が完了して公告された後は、その土地が許可時の予定どおり使われることを基本にしますが、用途地域等がある場合には別の用途規制が働くため、予定外の建築に関する許可の例外があります。一方、市街化調整区域の未開発の土地で建物を造る場合には、市街化を抑制するための建築等の許可を検討します。同じ『建てる』行為でも、土地がどの状態にあるかで入口の条文が変わります。
事業の予定区域では、将来の整備を阻害するかという観点が加わります。小さな附属車庫や仮設建築物、公益上必要な博物館の例外は、制度と条件がそれぞれ異なります。問題を読む際は『区域名→開発か建築か→工事完了前か後か→建物の用途と規模→例外』の順で情報を整理すると、似た許可制度を混ぜずに判断できます。