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学科Ⅴ(施工)

一級建築士 令和3年度 学科Ⅴ(施工) 問4

問題・正答・学習用解説

問題

建築工事等の届出等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

選択肢

  1. (1)
    指定確認検査機関による確認を受けた建築物について、特定行政庁が指定した特定工程に係る工事を終えた日から4日以内に到達するように、「中間検査申請書」を建築主事あてに提出した。
  2. (2)
    騒音規制法による指定地域内において、特定建設作業を伴う建設工事を施工するに当たって、当該特定建設作業の開始の日の7日前までに、「特定建設作業実施届出書」を市町村長あてに届け出た。
  3. (3)
    特定元方事業者の労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一場所において行われる建築工事の着手に当たって、当該作業の開始後、速やかに「特定元方事業者の事業開始報告」を労働基準監督署長あてに行った。
  4. (4)
    道路に外部足場を設置するに当たって、継続して道路の一部を使用する必要があったので、「道路使用許可申請書」を道路管理者あてに提出した。

正答と解説

正答:(4)

正答の考え方

最も不適当なのは選択肢4です。道路使用許可申請書は、所轄の警察署長へ提出します。道路管理者へ申請するのは道路占用許可です。本肢は、継続して足場を設置する場面で必要となる手続の名称と、その提出先を取り違えています。
道路占用は、道路という施設の一部を足場などで継続的に占めることについて、道路管理の立場から許可を受ける制度です。道路使用は、道路上の工事や作業などが交通の安全・円滑さに影響するため、交通管理の立場から許可を受ける制度です。同じ工事でも、目的が違う二つの許可が必要になる場合があります。
足場を設置するときは、道路の幅や通行者の動線、作業時の交通への影響などを確認し、該当する両方の手続を整理します。一方、中間検査の申請先は、確認を受けた機関と必ず同じでなければならないわけではありません。届出問題では、似た名前から提出先を推測せず、手続が何を管理する制度かを確認します。期限についても、作業開始前なのか、工程終了後なのか、起点となる出来事を読み取ります。

各選択肢の解説

選択肢1

選択肢1:指定確認検査機関で確認を受けた建築物でも、中間検査を建築主事へ申請する本肢の取扱いは適当です。確認を受けた機関と、検査を申請する先が必ず同一に限定されるわけではありません。本問では、指定された特定工程の工事を終えた日から4日以内に到達するよう申請する期限も適当です。中間検査は、工事の途中で後から見えなくなる構造などを確認する制度です。完成してからまとめて申請する検査とは、時期と確認する内容が異なります。

選択肢2

選択肢2:騒音規制法の指定地域内で特定建設作業を行う場合、原則として開始7日前までに市町村長へ届け出る本肢は適当です。大きな騒音を生じる一定の作業について、周辺環境への影響を事前に把握するための手続です。全ての軽微な建設作業が同じ届出対象になるわけではなく、地域と作業の種類を確認します。届出先を労働基準監督署と混同しないようにします。労働者の安全を管理する制度と、近隣への騒音を規制する制度は目的が違います。

選択肢3

選択肢3:同じ場所で自らの労働者と関係請負人の労働者が作業する建築工事について、開始後速やかに特定元方事業者の事業開始報告を労働基準監督署長へ行う本肢は適当です。複数事業者の作業が重なる現場では、連絡調整などの安全管理が必要です。特定元方事業者は、その元方として所定の役割を担います。この報告の時期は開始後速やかにであり、足場の計画届などの開始前の届出と同じではありません。書類ごとに提出の起点を確かめます。

選択肢4

選択肢4:道路使用許可申請書の提出先を道路管理者とする点が不適当です。道路使用は警察署長、道路占用は道路管理者が担当します。道路管理者は国、都道府県、市町村など道路の種類に応じて異なります。足場が道路の一部を継続して占める場合は占用の検討が必要であり、道路上での組立作業などには使用許可も関係します。どちらか一つの許可を受ければ常に全て完了と考えず、施設の占用と交通への影響を別々に確認して手続します。

周辺知識

届出や許可の問題では、法律名を全て丸暗記する前に、何を守る制度かを整理しましょう。建築確認や検査は建物の法令適合、騒音の届出は周辺の生活環境、労働基準監督署への報告は労働安全、道路使用は交通の安全に関係します。
道路の手続は、対象が同じ道路なので特に混同しやすいものです。道路管理者は道路施設を管理し、警察署長は道路交通を管理します。足場が占める場所を借りるような占用の問題と、作業によって通行へ影響する使用の問題は、別の観点から確認されます。
期限は数字と起点を一緒に覚えます。特定建設作業は開始の7日前まで、中間検査は特定工程の終了から4日以内の到達、事業開始報告は開始後速やかにという違いがあります。「何日前」「何日以内」だけを切り離すと逆に覚えやすいため、工事の流れに沿って、事前申請・施工中の検査・開始後の報告の位置を考えると整理できます。