理論
電験三種 令和7年度下期 理論 問16(b)
問題・正答・学習用解説
問題
図の直流回路において,次の(a)及び(b)に答えよ。ただし,電源電圧E[V]の値は一定で変化しないものとする。(b) 図1の抵抗R[Ω]を図2のように端子b,c間に接続し直したとき,回路に流れる電流I3の値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
選択肢
- (1)
5.5
- (2)
4.8
- (3)
4.5
- (4)
4.2
- (5)
4.0
正答と解説
正答:(4)
正答の考え方
正解は(4)です。(a)より電源電圧 E=40V、R=80Ω です。図2では R を端子 b・c 間に付け替えるため、a-b 間 16 Ω、a-c 間 4 Ω、b-d 間 4 Ω、c-d 間 16 Ω、そして b-c 間に R=80Ω が渡るブリッジ回路になります。電源は a・d 間に E=40V(a=40V、d=0V とする)。節点 b、c の電位を未知数として、各節点で電流の流入=流出(キルヒホッフの電流則)の式を立てます。節点 b:1640−Vb=4Vb−0+80Vb−Vc、節点 c:440−Vc+80Vb−Vc=16Vc−0。整理すると、26Vb−Vc=200、−Vb+26Vc=800 の連立式が得られ、これを解くと Vb≃8.89V、Vc≃31.1V。電源から流れ出る電流I3 は、a につながる2枝の電流の和なので I3=1640−Vb+440−Vc =1640−8.89+440−31.1 ≃1.94+2.22≃4.2A となります。 各選択肢の解説
選択肢1
5.5 A は誤りです。節点電位の計算を誤るとこの付近の値になりますが、Vb≃8.89V、Vc≃31.1V を正しく求めると I3≃4.2A です。 選択肢2
4.8 A は誤りです。同様に連立方程式の係数や計算過程の誤りによる値で、正しくは約 4.2 A です。
選択肢3
4.5 A は誤りです。4.5 は図1での電流I1 の値であり、配置の異なる図2の電源電流ではありません。図2では約 4.2 A です。 選択肢5
4.0 A は誤りです。これはブリッジ枝 R(80 Ω) に流れる電流の影響を無視した近似値です。R にも電流が流れることを考慮すると I3≃4.2A になります。 周辺知識
ホイートストンブリッジ型の回路では、まず『平衡条件』が成り立つかを確認します。平衡条件は相対する辺の抵抗の積が等しい(本問なら 16×16 と 4×4、あるいは配置に応じた対辺の積)こと。平衡していれば橋絡抵抗(b-c 間の R)に電流が流れず計算が簡単になりますが、本問は不平衡なので R にも電流が流れます。不平衡ブリッジは、節点電位法(節点ごとにキルヒホッフの電流則を立て、各節点電位を未知数とする連立方程式)で解くのが確実です。あるいは Δ-Y 変換やテブナンの定理でも解けます。電源電流は『電源に直結する枝の電流の和』で求める点もポイント。本問は(a)で求めた E=40V と R=80Ω をそのまま使う連問形式で、中間結果を正しく引き継ぐことが大切です。連立方程式を解く際は係数(26 など)を丁寧に出し、得られた電位が 0〜40 V の範囲に収まることを妥当性チェックに使えます。