機械
電験三種 令和7年度下期 機械 問17(a)
問題・正答・学習用解説
問題
管径36mmの完全拡散性無限長直線光源を床面上3mの高さに床面と平行に配置した。光源からは単位長当たり3000lm/mの光束を一様に発散しているものとして,次の(a)及び(b)に答えよ。(a) 直線光源の光束発散度M[lm/m²]の値として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。選択肢
- (1)
83.3×10³
- (2)
4.2×10³
- (3)
8.4×10³
- (4)
26.5×10³
- (5)
74.7×10³
正答と解説
正答:(4)
正答の考え方
正解は(4)26.5×103です。光束発散度 M は,光を発する面の単位面積当たりに出ていく光束(lm/m²)です。光源は直径 d=36 mm=0.036 m の円筒(管)形で,その側面から光が出ます。単位長さ(1 m)当たりの側面積は円周×長さ=πd×1 =π×0.036 ≃0.1131m2(単位長当たり 0.1131 m²/m)。一方,単位長当たりに発散する光束は 3000 lm/m と与えられているので,光束発散度は M=単位長当たり光束単位長当たり表面積 =0.11313000 ≃26.5×103 lm/m² となります。よって(4)26.5×103 lm/m² が最も近い値です。 各選択肢の解説
選択肢1
83.3×103は表面積に円周πdではなく別の量(たとえば直径dそのもの 0.0363000=83.3×103)を用いた誤りです。発光面積は管の側面なので円周πd=0.1131m2を使います。 選択肢2
4.2×103は表面積の取り方を誤った値(過大な面積で割った)で,正しくはπd3000≃26.5×103 lm/m²です。 選択肢3
8.4×103は光束発散度Mをさらにπで割ったπMに近く、完全拡散面の輝度Lの数値です。求めるのはlm/m²で表す光束発散度なので、M=π×0.0363000 ≃26.5×103lm/m²です。輝度Lの単位はcd/m²で、両者を区別します。 選択肢5
74.7×103は表面積を過小に見積もった(たとえばπの扱いや桁を誤った)場合の値で,正しくは約26.5×103 lm/m²です。 周辺知識
照明工学の測光量は,光束Φ[lm](光の量),光度I[cd]=ωΦ(点光源から単位立体角あたり),照度E[lx]=AΦ(受照面の単位面積に入る光束),輝度L[cd/m²]=見かけの面積I(光源・面の明るさ感),光束発散度M[lm/m²]=AΦ(面光源の単位面積から出ていく光束)と整理できます。光束発散度は『面から出ていく』,照度は『面に入ってくる』という向きの違いがあり単位は同じ lm/m²(lx と等価)です。完全拡散面(ランバート面:どの方向から見ても輝度が一定)では,光束発散度と輝度の間に M=πL という重要な関係が成り立ちます(半球全方向へ放射した結果の係数π)。本問の管(円筒)光源では,発光面積は側面なので単位長当たり πd(円周)を使うのがポイントで,断面積 4πd2 や直径 d そのものと取り違えないことが要点です。(b)へ続く照度計算では,この M(または L=πM)を使い,無限長線光源からの照度を積分で求めます。LED蛍光灯型ランプや拡散カバー付き直管光源など実際の線状光源を扱う際の基礎で,まず M を表面積から求め,必要なら L=πMへ変換する,という流れを覚えておくとよいです。