法規
電験三種 令和7年度下期 法規 問11(b)
問題・正答・学習用解説
問題
接地極及び接地抵抗測定について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。(b) 直読式接地抵抗計を用いて,接地抵抗を測定する場合,被測定接地極 E に対する,二つの補助接地極 S(電圧用)及び H(電流用)の地表面配置として,最も適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。((1)〜(5)は被測定接地極 E と補助接地極 S・H の地表面配置を示す図)

選択肢
正答と解説
正答:(4)
正答の考え方
正解は(4)です。直読式接地抵抗計による測定は『電位降下法』で行います。被測定接地極E、電圧用補助接地極S、電流用補助接地極Hを一直線上に、互いに十分な間隔(おおむね各10m程度)をとって配置するのが基本です。E−H間に測定電流を流し、その中間付近に置いたSでEの電位上昇を測ることで、各電極の電位上昇領域(抵抗領域)が互いに重ならず、Eだけの正しい接地抵抗を読み取れます。(4)はE−10m−S−10m−Hと一直線かつほぼ等間隔の配置になっており、相互干渉が最も少ないため最も適切です。
各選択肢の解説
選択肢1
(1)はS-Hが10m、S-Eが10mで、E-Hが2mと近接しています。近いのはSとHではなく、被測定接地極Eと電流用補助接地極Hです。この配置では電流を流す両極の抵抗領域が干渉しやすく、E-S-Hを十分な距離で一直線に配置した(4)に比べて適切ではありません。
選択肢2
三角配置で各極の間隔・位置関係が電位降下法の前提を満たしていません。電圧極Sが平坦な電位領域に入らず誤差が大きくなるため不適切です。
選択肢3
E−4m−H−2m−Sのように間隔が狭く、しかも電流極Hが被測定極EとS の間に位置しており、電流極と電圧極の配置関係が電位降下法に適さないため不適切です。
選択肢5
S−10m−E−2m−Hとなっており、被測定接地極EがSとHの間に位置しています。Eの電位上昇領域内にH・Sが入り込み相互干渉が生じるため、配置として不適切です。
周辺知識
電位降下法の原理は、Eから流した電流が大地に広がる際、E近傍ほど電流密度が高く電位勾配が急になり、Eから十分離れると電位がほぼ一定(基準大地電位)になることに基づきます。電流補助極Hを十分遠ざけ、電圧補助極SをEとHのほぼ中間(E−H間距離の約60%位置が理論上の最適点)に置くと、Eの電位上昇領域とHの電位上昇領域が重ならず、Sが平坦な電位領域に入って正しい接地抵抗が得られます。各極間隔の目安は5〜10m以上で、直線配置が基本です。Sの位置をEとHを結ぶ線上で動かしながら測定値が平坦になる点を探す『電位降下曲線』の測定法も実務で用いられます。補助極を近づけすぎると電位領域が重なって誤差が大きくなり、SとHを取り違える(電流極と電圧極の役割を逆にする)と正しく測れません。電験では『E・S・Hを一直線・等間隔・十分離す』が正解の鉄則で、三角配置や近接配置・極の順序の入替えはすべて不適切とされます。