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法規

電験三種 令和7年度下期 法規 問11(a)

問題・正答・学習用解説

問題

接地極及び接地抵抗測定について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。(a) 図1は大地抵抗率 ρ[Ω・m]の土壌に埋設された棒状接地極の概略図である。この接地極の接地抵抗 R[Ω]は①式で示されるものとする。R=ρ2πLln⁡(4Ld)⋯ ①R=\frac{\rho}{2\pi L}\ln\left(\frac{4L}{d}\right)\quad\cdots\ \text{①}ただし, L:接地極の長さ[m], d:接地極の直径[m], π:円周率 であり,ln⁡(4Ld)\displaystyle \ln\left(\frac{4L}{d}\right)は 4Ld\displaystyle \frac{4L}{d} の自然対数を示す。ここで,x=4Ld\displaystyle x=\frac{4L}{d} と置いて①式を書き直すと②式となる。R=2ρπdln⁡(x)x⋯ ②R=\frac{2\rho}{\pi d}\frac{\ln(x)}{x}\quad\cdots\ \text{②}②式中の ln⁡(x)x\displaystyle \frac{\ln(x)}{x} は,L≫d として 200≤x≤1000\displaystyle 200\le x\le 1000 の範囲で図2の値となる。今,ρ=150Ω⋅m\displaystyle \rho{}=150 \Omega\cdot m,d=14×10−3m\displaystyle d=14\times 10^{-3} \mathrm{m} の条件で R を 100 Ω以下としたいとき,これを実現するための L の最小長さ[m]として,最も近いものを次の(1)〜(5)から一つ選べ。ただし,ρ は深さによらず一定とする。問11(a)の図1問11(a)の図2

選択肢

  1. (1)
    0.7
  2. (2)
    1.0
  3. (3)
    1.2
  4. (4)
    1.5
  5. (5)
    2.0

正答と解説

正答:(4)

正答の考え方

正解は(4)の1.5です。②式 R=(2ρπd)⋅ln⁡(x)x\displaystyle R=\frac{\left(\frac{2\rho }{\pi d}\right)\cdot \ln \left(x\right)}{x} を用います。係数は 2ρπd=2×150π×14×10−3\displaystyle \frac{2\rho }{\pi d}=\frac{2\times 150}{\pi \times 14\times 10^{-3}} =3000.04398\displaystyle =\frac{300}{0.04398} ≃6.82×103\displaystyle \simeq 6.82\times 10^{3}。R≤100Ω\displaystyle R\le 100\Omegaとするには ln⁡(x)x≦1006.82×103\displaystyle \frac{\ln \left(x\right)}{x}\leqq \frac{100}{6.82\times 10^{3}} ≃1.47×10−2(0.0147)\displaystyle \simeq 1.47\times 10^{-2}\left(0.0147\right)が必要です。図2のグラフからln⁡(x)x≃0.0147\displaystyle \frac{\ln \left(x\right)}{x}\simeq 0.0147を満たすxはおよそx≒410です。x=4Ld\displaystyle x=\frac{4L}{d}の関係から L=x⋅d4\displaystyle L=\frac{x\cdot d}{4} =410×14×10−34\displaystyle =\frac{410\times 14\times 10^{-3}}{4} ≃1.44\displaystyle \simeq 1.44[m]。これ以上の長さで最も近い選択肢は1.5mなので、必要な最小長さは(4)の1.5mとなります。

各選択肢の解説

選択肢1

L=0.7m\displaystyle L=0.7mではx=4Ld\displaystyle x=\frac{4L}{d} =4×0.70.014\displaystyle =\frac{4\times 0.7}{0.014} =200\displaystyle =200となり、ln⁡(x)x≃0.0265\displaystyle \frac{\ln \left(x\right)}{x}\simeq 0.0265に対応してR≒180Ωとなり100Ωを大きく超えるため不適です。

選択肢2

L=1.0m\displaystyle L=1.0mではx≒286となり、ln⁡(x)x≃0.0198\displaystyle \frac{\ln \left(x\right)}{x}\simeq 0.0198に対応してR≒135Ω程度となり、100Ωを超えるため条件を満たしません。

選択肢3

L=1.2m\displaystyle L=1.2mではx≒343となり、R≒116Ω程度で100Ωをわずかに超えます。100Ω以下に『最も近いが超えない』という条件には届きません。

選択肢5

L=2.0m\displaystyle L=2.0mではx=4Ld\displaystyle x=\frac{4L}{d} ≃571.4\displaystyle \simeq 571.4、R=1502π×2.0×ln⁡(80.014)\displaystyle R=\frac{150}{2\pi \times 2.0}\times \ln \left(\frac{8}{0.014}\right) ≃75.8Ω\displaystyle \simeq 75.8\Omegaとなり、100Ω以下を満たします。ただしL=1.5m\displaystyle L=1.5mでも約96.5Ωで条件を満たすため、2.0mは最小の選択肢ではありません。単に抵抗が小さいものではなく、必要最小の長さを選びます。

周辺知識

棒状(垂直)接地極の接地抵抗 R=ρ2πL⋅ln⁡(4Ld)\displaystyle R=\frac{\rho }{2\pi L}\cdot \ln \left(\frac{4L}{d}\right) は、長さLを大きくするほど抵抗が小さくなる関係を表します。ただしln項のため単純な反比例ではなく、長さを倍にしても抵抗は半分以下にはなりにくい(効きが鈍る)点が実務上重要です。接地抵抗を下げる方法は、(1)接地極を長く(深く)打ち込む、(2)接地極を複数本並列に打つ(連結接地極)、(3)接地抵抗低減剤や深井戸接地を用いる、(4)大地抵抗率ρの低い場所(湿った土壌)を選ぶ、などです。大地抵抗率ρは土質・含水率・温度で大きく変わり、砂礫地で高く、粘土・湿地で低くなります。本問のように『ln⁡(x)x\displaystyle \frac{\ln \left(x\right)}{x}のグラフ』を読ませる出題では、まず②式に数値を代入して目標とするln⁡(x)x\displaystyle \frac{\ln \left(x\right)}{x}の値を算出し、グラフから対応するxを逆引きし、x=4Ld\displaystyle x=\frac{4L}{d}からLを求める、という三段の手順を落ち着いて踏むのがコツです。単位はd・Lともにmで揃え、d=14×10−3m\displaystyle d=14\times 10^{-3}m =14mm\displaystyle =14mmを取り違えないよう注意します。