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高気圧障害

潜水士 令和6年 1月~6月実施分 高気圧障害 問29

問題・正答・学習用解説

問題

潜水業務における健康管理に関し、誤っているものは次のうちどれか。

選択肢

  1. (1)
    潜水業務に常時従事する労働者に対する健康診断では、圧力の作用を大きく受ける四肢の運動機能などの検査のほか、必要な場合は、作業条件調査などを行う。
  2. (2)
    健康診断において行われる関節部のエックス線直接撮影による検査は、骨壊死のチェックのためで、通常、股関節、肩関節、膝関節など侵されやすい部位が対象となる。
  3. (3)
    前日の飲酒により体内にアルコールが残った状態で潜水すると、減圧症や低体温症の発症リスクが高くなる。
  4. (4)
    空気塞栓症のリスクを評価する指標としてUPTD(肺酸素毒性量単位)があり、1日のばく露量が一定の値以下となるように管理する必要がある。
  5. (5)
    減圧症の再圧治療が終了した後しばらくは、体内にまだ余分な窒素が残っているので、そのまま再び潜水すると減圧症を再発するおそれがある。

正答と解説

正答:(4)

正答の考え方

正解は選択肢4です。UPTD(肺酸素毒性量単位)は、酸素分圧とばく露時間から肺酸素中毒の累積負荷を評価する指標です。肺胞破裂などで気体が動脈へ入る空気塞栓症のリスク指標ではありません。

各選択肢の解説

選択肢1

選択肢1は正しい記述です。高気圧業務健康診断では四肢の運動機能などを調べ、医師が必要と認めた場合は作業条件調査、肺換気機能、心電図、関節部X線などを追加します。

選択肢2

選択肢2は正しい記述です。潜水性骨壊死は骨頭・骨端に生じやすいため、股関節、肩関節、膝関節などをX線で確認します。

選択肢3

選択肢3は正しい記述です。残ったアルコールは脱水、判断力低下、末梢血管拡張による熱損失を招き、減圧症と低体温症の危険を高めます。

選択肢5

選択肢5は正しい記述です。再圧治療後も体内の不活性ガスや組織への影響が残り得るため、医師の許可なしにすぐ再潜水すると症状が再発する危険があります。

周辺知識

酸素ばく露管理では、UPTDは主に肺酸素中毒の累積量、中枢神経系酸素毒性の管理には酸素分圧ごとの許容時間を使います。潜水前後の飲酒を避け、水分と休息を確保し、再圧治療後の復帰時期は潜水医学の医師が判断します。