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送気、潜降及び浮上

潜水士 令和4年 7月~12月実施分 送気、潜降及び浮上 問16

問題・正答・学習用解説

問題

生体の組織をいくつかの半飽和組織に分類して不活性ガスの分圧の計算を行うビュールマンのZH-L16モデルに基づく減圧方法に関し、誤っているものは次のうちどれか。

選択肢

  1. (1)
    M値とは、ある環境圧力に対して、労働者の身体が許容できる各半飽和組織ごとの最大の不活性ガス分圧である。
  2. (2)
    M値は、半飽和時間が短い組織ほど大きく、潜水者が潜っている深度が深くなるほど大きい。
  3. (3)
    M値が所定の計算により求めた全ての半飽和組織での体内不活性ガス分圧の値を超えないように、必要な減圧停止時間を設定する。
  4. (4)
    半飽和組織における不活性ガス分圧の計算式は、具体的には「生体内外の不活性ガスの移動は不活性ガスの分圧の差が大きいほど速やかで、かつ、時間の経過に伴って指数関数的に行われる。」ということを意味している。
  5. (5)
    繰り返し潜水において、作業終了後、次の作業まで水上で休息する時間を十分に設けなかった場合には、次の作業における減圧時間がより長くなる。

正答と解説

正答:(3)

正答の考え方

正解は選択肢3です。安全な減圧では、各半飽和組織の体内不活性ガス分圧が、その深度の環境圧力に対するM値を超えないようにします。選択肢は『M値が体内分圧を超えない』と大小関係を逆にしているため誤りです。

各選択肢の解説

選択肢1

選択肢1は正しい記述です。M値は各組織がその環境圧力で許容できる不活性ガス分圧の上限を表します。

選択肢2

選択肢2は正しい記述です。一般に速い組織ほど許容勾配が大きく、また環境圧力が高い深度では許容される絶対的な不活性ガス分圧も大きくなります。

選択肢4

選択肢4は正しい記述です。組織への取り込み・排出速度を圧力差に比例させると、組織分圧は時間とともに指数関数的に平衡値へ近づきます。

選択肢5

選択肢5は正しい記述です。水面休息が短いと前回の不活性ガスが多く残るため、次の潜水で許容上限に早く近づき、必要な減圧時間が長くなります。

周辺知識

半飽和時間は、組織内の不活性ガス分圧が新しい平衡値との差を半分まで縮める時間です。ZH-L16は速さの異なる16組織を計算し、どの組織についても『組織分圧≦M値』となる深度と浮上手順を決めます。