資格ナビ潜水士の演習へ

高気圧障害

潜水士 令和4年 1月~6月実施分 高気圧障害 問24

問題・正答・学習用解説

問題

人体に及ぼす水温の作用及び体温に関し、正しいものは次のうちどれか。

選択肢

  1. (1)
    体温は、代謝によって生じる産熱と、人体と外部環境の温度差に基づく放熱のバランスによって保たれる。
  2. (2)
    水の熱伝導率は空気の約50倍あるので、水中では、体温が奪われやすい。
  3. (3)
    体温が低下し始めると、筋肉の弛緩、酸素摂取量の減少などの症状が現れる。
  4. (4)
    低体温症は、全身が冷やされ、体の中心部の温度が30℃程度以下に低下した状態をいい、意識消失、筋の硬直などの症状がみられる。
  5. (5)
    低体温症を発症した者への処置としては、アルコールを摂取させることが有効である。

正答と解説

正答:(1)

正答の考え方

正解は選択肢1です。体温は、代謝や筋活動で生じる産熱と、伝導・対流・放射・蒸発などによる放熱の釣合いで一定範囲に保たれます。水中では放熱が増えるため、この釣合いを保つ装備が重要です。

各選択肢の解説

選択肢2

選択肢2は数値が誤りです。水の熱伝導率は空気のおよそ25倍であり、約50倍ではありません。それでも水中の熱損失は非常に大きくなります。

選択肢3

選択肢3は反応が逆です。体温が下がり始めると筋肉の緊張や震えで産熱を増やすため、代謝と酸素摂取量は増加します。

選択肢4

選択肢4は定義の温度が低過ぎます。低体温症は一般に深部体温35℃未満で、30℃付近はすでに重度の意識障害や不整脈が起こり得る状態です。

選択肢5

選択肢5は誤りです。アルコールは末梢血管を広げて皮膚からの熱損失を増し、判断力も低下させるため、低体温症の処置に用いません。

周辺知識

低体温が進むと、震え、動作・判断力低下、意識混濁を経て、重症では震えが止まり不整脈や心停止の危険が増します。濡れた物を除き乾いた物で包み、重症者は静かに扱って救急搬送します。