学科Ⅴ(施工)
一級建築士 令和2年度 学科Ⅴ(施工) 問10
問題・正答・学習用解説
問題
レディーミクストコンクリートの受入れ時の検査について、表のA~Cの圧縮強度試験の結果に対する調合管理強度の判定に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。ただし、コンクリートの調合管理強度は30N/mm²とし、1回の試験には任意の1台の運搬車から採取したコンクリート試料で作製した3個の供試体を用いるものとする。| 試験 | 1回目の平均値(N/mm²) | 2回目の平均値(N/mm²) | 3回目の平均値(N/mm²) | 総平均値(N/mm²) |
|---|---|---|---|---|
| A | 33.0 | 34.5 | 31.5 | 33.0 |
| B | 26.5 | 33.0 | 32.0 | 30.5 |
| C | 28.0 | 30.0 | 30.5 | 29.5 |
選択肢
正答と解説
正答:(2)
正答の考え方
最も適当なのは選択肢2です。受入れ検査では、各回の試験結果が調合管理強度の85%以上であることと、3回の総平均が調合管理強度以上であることの両方を確認します。本問の強度は30なので、各回の下限は次のとおりです。
Aの各回は33.0、34.5、31.5で、最小でも25.5以上、総平均33.0も30以上なので合格です。Bは1回目26.5が30を下回りますが、各回の下限25.5は満たしています。総平均も30.5なので合格です。「一度でも30未満なら不合格」という判定ではありません。
Cは28.0、30.0、30.5の全てが25.5以上ですが、総平均29.5が30に届かないため不合格です。表の各回の値は、その回に作製した供試体3個の平均であり、供試体1個の値ではありません。まず各回の下限を確認し、次に3回の総平均を確認する順序で読むと、試験の単位と判定条件を混同せずに解けます。
各選択肢の解説
選択肢1
選択肢1:Aだけを合格としBを不合格にするため、この肢は誤りです。Bの1回目26.5は調合管理強度30を下回っていますが、各回に求められる下限は30の85%、つまり25.5です。26.5はこの下限を上回り、残る2回も下限以上です。さらに総平均は30.5で30を満たすため、Bも合格となります。各回の条件と総平均の条件を両方30とするのが、この選択肢につながる典型的な読み違いです。
選択肢2
選択肢2:AとBを合格、Cを不合格とするため、この肢が正解です。Aは各回25.5以上・総平均33.0、Bは各回25.5以上・総平均30.5なので、二つの条件を満たします。Cは各回の下限を満たしても、総平均29.5が要求する30より小さいため不合格です。この検査は平均だけを満たせばよいわけでも、全ての回が85%以上ならよいわけでもありません。二つの独立した条件があり、両方に合格する必要があります。
選択肢3
選択肢3:Bを不合格、Cを合格とする判定が逆なので、この肢は誤りです。Bは26.5という低めの回があっても許容される各回の下限25.5以上であり、総平均30.5も必要値を満たします。一方、Cは最小の28.0がBの最小値より高くても、3回を合わせた平均29.5が不足します。最も小さい値だけを比べてCの方がよいと判断できません。下限によるばらつきの確認と、平均による全体の水準の確認を分けて計算します。
選択肢4
選択肢4:全て合格とするため、この肢は誤りです。A・B・Cの各回の値は全て25.5以上ですが、それは合格条件の一つを満たしたにすぎません。Cの総平均は次のとおりです。
30に届きません。平均の不足が0.5と小さく見えても、判定値を都合よく切り上げて合格にはできません。表に総平均が示されている場合も、比較する基準が85%でなく100%であることを確かめます。
周辺知識
コンクリートの圧縮強度は、試験用に作った供試体を押し、どれだけの圧力まで耐えたかを調べて求めます。は面積1mm²当たりの力を表す単位で、MPaと同じ大きさです。供試体の強度は、採取や養生、試験方法をそろえて比較する必要があります。
本問では、一つの運搬車から採ったコンクリートで供試体を3個作り、その平均を「1回の試験結果」とします。さらに3回の試験結果を平均したものが総平均です。表の一行に3回分が並んでいるから供試体が合計3個という読み方ではなく、三つの供試体の組が3回あると考えます。
各回の下限は著しく低い結果を許さないため、総平均の条件は全体として要求強度を確保するためのものです。例えば3回平均が30を超えても、1回だけ25.5未満なら合格条件を満たしません。逆に全て25.5以上でも平均が30未満なら不合格です。局所的な不足と全体的な不足を別々にチェックする仕組みとして理解します。